静脈内鎮静法とは、腕の静脈から鎮静薬を点滴し、“うとうと”と半分眠った状態で治療を受けていただく麻酔管理法です。全身麻酔と異なり人工呼吸は不要で、呼びかけへの反応がわずかに残ります。
インプラント治療に不安を抱く患者様の心理的・身体的な負担を軽減する選択肢として提供しています。
静脈内鎮静法を用いる主な利点
以下では、静脈内鎮静法を併用することで期待できるメリットをご紹介します。
不安・恐怖心の軽減
鎮静薬が脳の働きを落ち着かせることで不安や緊張が和らぎ、筋肉のこわばりや血圧の急激な上昇が起こりにくくなります。
嘔吐反射の抑制
口腔内処置時の刺激に対する反射が鈍化するため、嘔吐反射が強い方でも治療を継続しやすくなります。
健忘効果(術中の記憶が残りにくい)
ベンゾジアゼピン系薬剤の抗不安・健忘作用により、術中の詳細な記憶が残りにくく、治療経験への恐怖の再学習を防ぎます。
長時間手術による全身負荷の軽減
筋緊張が少ない状態を維持できるため循環動態が安定し、長時間のインプラント埋入でも身体的ストレスを抑制できます。
高血圧・心疾患をお持ちの方への配慮
ストレスによる急激な血圧変動や心拍数上昇を抑えることで、持病悪化リスクを低減します(適応可否は術前診査で判断)。
※効果には個人差があります。
当院が静脈内鎮静法をご提供する体制
静脈内鎮静法を提供する当院の体制についてご紹介します。
麻酔の専門資格を持つ歯科医師が担当
日本歯科麻酔学会の認定資格を持つ歯科医師が静脈内鎮静を担当し、術後まで一貫してフォローいたします。
生体モニターによるリアルタイム管理
手術中は血圧・脈拍・酸素飽和度などを継続測定し、変化があれば直ちに投薬量や処置を調整できる体制を整えています。
静脈ルート確保と緊急時対応
点滴で静脈ルートを確保しているため、容体の変化があった際にも必要な処置や薬剤投与を迅速に行えます。
これらの体制により、静脈内鎮静法下でのインプラント手術時のリスク低減と全身状態の継続管理に努めています。
インプラント治療に怖さや不安を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、まずはお気軽にご相談ください。